こんにちは、「よむだけテントドア」のイッシーです。
イベントテントが風で飛んだらどうしよう?
具体的にはどんな対策があるわけ?
そもそもイベントテントが風で飛ぶことはあるの?
そんな不安がある方に対しての記事となります。
テント屋としてよく耳にしますのが、
聞かれ方は様々なんですが、こんな感じでかなりの頻度で聞かれます。
そういった疑問に答えながら
というテント屋として、現時点でベターだと考える内容で記事にしております。
また、業務用のイベントテントだけではなく、個人向けのタープテントやポップアップテントでも、強風対策は必須といえます。
どのテントでも共通して使える、強風への安全対策を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事で
・安全に対して意識の高いイベント担当者(企業の場合)
が少しでも増えてくれたら嬉しいです。
イベントテントが飛ぶ事と風速の関係性
風対策のことに触れる前に、前提条件をお伝えします。
イベントテント設置の前提条件
- イベントテント→仮設の設置物
- イベントテントの設置場所→屋外
- 風→屋外に吹いている風のこと
当たり前ですが、屋内に設置する場合はこの記事の限りではありません。
施設によっては、屋内でも、吹き抜けから風が入ってくる場合もあるからです。
そして風対策とは、強風や突風と言われる強い風への対策を指しています。
そんな必要あるの?飛ぶほどの風が吹くの?と思われるかも知れませんが、全国的に事故事例として報告されているのが事実です。
朝日新聞デジタルより強風により飛んでしまったテントによる事故例 “https://www.asahi.com/articles/ASK9G4TZ5K9GOHGB00D.html“
上記で挙げた事故の日は、強風警報などは出ていなかった……というのが突発的な強風の怖さを物語っています。
また、重りなどの対策をしていたのにも関わらず、です。
このことから、対策すらしていないテントの危険性がお分かりになるはずです。
風はイベントテントを吹き飛ばす可能性がある、ということを認識することが大前提となります。
“強風”の目安は?テントが飛ぶ目安にしよう
そもそも“強風”の目安って何でしょうか?という部分です。
体感的なものではなく、気象庁が指定する用語で「やや強い風」とされる風が、イベントテント設営に影響を及ぼしてしまう「風」だと我々は考えています。
「“やや”で飛ぶんですか?」と聞かれたら
「はい、“やや”でも飛ぶ可能性があります」とお答えしています。
その“やや強い風”は平均風速10以上~15未満(m/s)と指定されています。
気象庁は屋外の様子を「木の全体が揺れ始める」としています。
しかし、体感としてはもう少し弱い風でもイベントテントは飛んでいってしまうor壊れてしまう可能性があります。
なぜなら、平均風速が5m/sだとしても、最大瞬間風速が10m/s以上になる場合があるからです。
“やや強い風”、甘く見てはいけないのです。
引用気象庁HPより”https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kazehyo.html“
テントが吹き飛んだらどうなるの?事故や破損のことについて
吹き飛び方にもよりますが、少なくとも考えられる被害として
1.フレームや天幕の破損
2.吹き飛んだテントが物にぶつかって破損させてしまう
3.吹き飛んだテントが人にぶつかって”怪我や死亡事故”に繋がる
上記のようなことが想定されます。
軽いタープテントでも危ないのですが、業務用の重いイベントテントだと、より被害が大きくなる可能性が高いです。
耐久性が高く、重量があるからこその危険もあることを踏まえ、事実上、風に強いテントはないと言っても過言ではないでしょう。
イベント業者の方から「風で飛ばされたテントが参加していた駐車場の車に突っ込んだ」なんて話も聞いたことがあります。
車だけならまだ良いのですが人身事故、なんて考えたくもないですよね。
そのようなリスクを想定し、各種保険会社にイベント保険というのもあるぐらいです。
ここまでで、イベントテントを“飛ばさない備え”というものがどれだけ大事か分かってきたかと思います。
テント設営時の具体的な風対策
ここから具体的な対策を3つご紹介します。
①「脚に重りをセットする」
とても単純ですが、テントの脚に対して重りを固定していく方法です。(下記画像参照)
ホームセンターで適当な重りを見繕ってもいいかもしれませんが、専用品はより重く、適した形状をしています。
4本脚のテントに20kgの重りを一つずつ取り付ければ、80kgの荷重がテントに掛かっていることになります。
重量物で脚を固定している、ぱっと見て安心具合が分かりやすいです。(絶対安全というわけではないので悪しからず)
ただし、重り自体をイベントテントと一緒に運搬しなければならないというデメリットもあります。
そこは安心感と手間に対してどれだけコストが掛けられるかだと思います。
②「ペグ&ロープ」
イベントテントに限らず、キャンプに使用するテントにも付属してることが多いかと。
その中でも「ペグ」というのは、風対策の知名度としてはこの中で一番高いのではないでしょうか?(下記画像参照)
最大のメリットとして、持ち運びが重りと比べてだいぶ手軽という点です。
でも、種類によっては、ロープが細すぎて効果が薄かったり、刺さりが甘くなってたりと、いざしっかり固定しようと思うと実は大変です。
しっかり効果を出すには玄人向けという印象です。
また、地面がアスファルトの場合はそもそもペグが打てないという点も見逃せないデメリットです。
最近では荷締めベルト=タイダウンベルトを使用してペグと固定するテントを見かけることもあります。
こちらはヒモよりテンションが掛けやすく、イベントテントには向いている印象です。
③「テントを畳んでしまう」
「た…畳むって…」となる方もいらっしゃるかもしれませんが、イベントテントは立っていることで風の影響を大きく受けます。
上の2つの方法が風と戦うのに対して、これは「飛んでいく理由を無くす」という手段ですね。
実際にはイベント中だと難しいこともあると思いますが、どんどん風が強くなってきたらリスクマネジメントの一つの選択肢として考えてもらいたいです。
例えば仕切りや目隠しとして使っている横幕を外したりすることも「畳む」行為となります。
風の影響を極力減らしていくことが重要です。
ただ、畳む際にペグや重りを外そうとテントに近づく時が一番危険でもありますので、しっかりと状況を見て判断してください。
テントの強風対策:まとめ
風対策に有効な具体的な方法とまとめると…
①もはや定番かつ簡単「脚に重りをセットする」
②手軽なようで実は玄人向き「ペグ&ロープ」
③三十六計逃げるに如かず「テントを畳む」
この3つが挙げられます。
何度も出てくるように、重要なのは「テントは風で飛んでしまうことがある」という認識です。
・イベントテントは仮設の設置物
・イベントテントの設置場所は屋外
これを理解していれば、風で飛ぶリスクは分かっていただけるかと。
イベントテントを設置して風対策を一切しないというのは、来場者はもちろん、主催者や同じ出店者にもリスクを背負わせてしまいます。
もしこの記事をきっかけに、より風に対しての対策の知識や、テント設営時に吹く強風の危険性の認識を持っていただければ嬉しい限りです。
参加される全員が安心して楽しめるような安全なイベント運営になるよう、心から祈っています。